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言語, 認知, 領域からのソフトウェア構築 - Grailsをベースとして

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2010年4月19日, QCon Tokyo 2010での講演

2010年4月19日, QCon Tokyo 2010で, 「言語, 認知, 領域からのソフトウェア構築 - Grailsをベースとして」という講演をしました. ご来場いただいた皆さん, 有り難うございました. 聴講者には事前に資料のダウンロードが可能になっていたようですが, ここに最終版を添付しておきます.

今回の話は一言で言えば, 「ことば」という視点からソフトウェア・システム構築を見直してみようという話です. 文脈としては, 実行可能知識, 知働化と同じ流れにありますが, 今回はできるだけ具体的に, かつGrailsを絡めた話としました. 「ことば駆動開発」「ことば指向プログラミング」とか言ってみてもいいのですが, ださいので止めておきましょう:-)

認知言語学, 認知意味論が提供するさまざまなアイデアはソフトウェア・システム構築にとって極めて重要だと思います. 実はそれらの概念はソフトウェアの中にもうずいぶん前から (こっそりと) 取り込まれてきているのですよね. 例えばオブジェクト指向というのは, 今やコモディティな技術だと思っているかも知れませんが, その一端はフレームという認知心理学の道具からも来ています.

「ことば」のソフトウェア・システム構築を考えるときにもう一つ重要なのは, そのプロセス, つまり「ことば」の発達過程ですね. 今回の話ではヴィゴツキーという人 (もう1世紀近く前の人ですが) の発達理論を少し取り上げています. ヴィゴツキーの考え方に全面的に賛成というわけではまったくないのですが, ここで取り上げた考えは我々にとってもベースとして参考になるのではないかと思います.

ソフトウェア・システム構築では, 最近デザインやユーザ体験への指向が大変強くなってきています. 同じQCon Tokyo 2010で隈元章次さんの講演「有機的なユーザーインターフエイス実装における課題とアプローチ」もそうでした. 「ことば駆動開発」もユーザ・インタフェイスから始まるソフトウェア・システム構築という意味では同じです. 「ことば」というユーザ・インタフェイスなのです.

ドメイン駆動設計のような「ドメインのモデリングから始めるソフトウェア・システム構築」には大変よい面もあるのですが, 下手をすると (抽象化能力や大域的視点に欠けると) べたべたの現実を写し取っただけのシステムになりかねません (もちろんユーザ・インタフェイスから始めるソフトウェア・システム構築にも逆方向から同じような落し穴が待っています). これからはこれら二つのやり方のうまい統合が必要とされるでしょう.